身に緩み出て昼酒の三ヶ日
残照の方へ裸木立ち並ぶ
雪しまく信号の赤美しき
雪掻いて初荷の鰤を通しおり
鳥総松オルガンピタと止みにけり
まづ汁粉食べて銀座の六丁目
溢るる湯吾が力とし初湯舟
人日のみつ葉一把を買ひ足せり
落葉焚くなほ空蝉のつかむ葉も
蛇口より膨らむ雫淑気満つ
蒼穹をひと刷毛にゆく大白鳥
人日や犬自分より常に先
伊達マスクこの温もりは母の肌
とりあへず海鼠をなぞれ悲しくは
はればれとおのれを曝し大枯木
白亜紀の闇に戻れり牡丹雪
待春や鍋より重きガラス蓋
寒の水吐いて真鯛の蒼く棲む
逆光の富士細く立つ寒夕焼
歯に鯣のこりて年始廻りかな
巫女舞の鈴にはなれず花八ッ手
嫁とれば寒鰤贈る習ひなり
一輪はつぼみをえらぶ年用意
枯萩のアーチに入らば肋かと
一目づつ冬日を掬ふ千鳥掛け
毛皮屋のふかふかバッグ撫でて出づ
語尾を「ね」で括るやさしさ冬帽子
振り向けば枯野にふかさありにけり
初日の出ピアスのゆれて乾杯す
海に出て雪積み戻る遊覧船
餅花の夜は美しき夢を見る
蝋梅の香の方向に階降りる
床を背に祖父の発声大福茶
梟としづかに同じ闇にをり
大根のどれも剽軽背比べ
抱き寄するチェロの艶増す夜長かな
湯がへしの音の広がり点初会
塩さけの塩の重さや恐るべし
注連縄のなほその奥に闇のあり
エレキギターに終に聖歌をかきならす
レシピなき男料理の煮大根
大松明柄杓で呻る燗の酒
六花咲かせ孤独な北暮し
息白しヒロインのごとシネマ街
摂るものがすべて滋養に冬至晴
朴落葉拾へば走りたくなる子
御降りやさいころ六面ありし訳
大番所障子の影に江戸の見ゆ
夫の身に結城落ち着く囲碁始め
箱根駅伝二着でよろしおがら春
古老曰く「真っ直ぐ行く」が恵方とや
海風やカラカラと鳴る受験絵馬
程あひを引き継ぐ至難味噌仕込む
不本意に涙腺ゆるむ雪女
三井 量光
井門三千代
川井 城子
五箇 洋子
後藤むつ子
津川 琉衣
友谷佐枝子
原田 嶺子
藤井  綸
広瀬久美子
竹内 悦子
森住 晶弘
大野 北斗
川越 歌澄
布施  元
佐藤かほり
守屋 典子
田頭 玲子
岡田 紀子
酒井千枝子
疋田 郁子
児島 文子
大槻 愛子
笠井 久子
登坂 洋子
川島 佳子
新沢 糝子
桜庭 初代
伊藤  楽
海野 隆光
伊東 静枝
渡辺 早月
由良 芳子
北郷 三雄
阪口美枝子
戸田 正宏
中村 孝子
星川修一郎
安部 拙郎
松本葉ッ双
横道輝久子
土岐  彰
岩筋由紀子
横田キミヱ
齋藤 孝臣
田中 耕一
佐竹 晃子
鈴木 志帆
島倉 千春
志岐富士人
鈴木  扇
石灰 潤子
北野 眞代
三浦 茂子
寒の鶏水飲む時は日を仰ぐ
家苞に裏の大根引つこ抜く
葉牡丹をまづ寄せ植ゑの真ん中に
枯れてより姿勢正してメタセコイア
露天湯の掬つてみたり冬の月
床の照り僧侶の走る十二月
能登岬海荒るるほど山眠る
年用意祖母の手捌きと思ふ
包丁始夫の好みのものばかり
初暦明日あるごとを疑はず
笹を手に営業マンの初戒
小春日に胸毛ふくらむ二羽の鳶
息を止め体重量る師走かな
初夢やダルメシアンが百一匹
五歳の子願して結ぶ初みくじ
雪かきで始まる一日奥信濃
潜く鳥ただよふ鳥や冬の虹
月冴ゆる夜遊び好きの盲ひ犬
山茶花の暗さとなりし散歩道
梅干しの睨みきかせる福茶かな
風花や香りの記憶通り過ぐ
川に佇つ鷺の色なる十二月
遠藤  祥
石黒みゆき
笹本 征嗣
海老沢静夫
渡部 道子
日向 長子
塚原  鐵
作山美樹子
市田美穂子
池田 典隆
内藤はじめ
工藤 京子
安行 啓二
水間 道愉
中台  透
板山美代子
小木津閏子
田中 誠子
吉住 弘幸
堀井 倫子
島津 裕子
田中 悦子